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help リーダーに追加 RSS 小説「秒速5センチメートル」感想

<<   作成日時 : 2008/05/27 10:31   >>

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小説「秒速5センチメートル」を読んだので感想を。

小説・秒速5センチメートル (ダ・ヴィンチブックス)
映画は何十回も見てるくらい好き。
劇中で貴樹が「彼女(明里)からの文面(手紙)はすべて覚えた」って言ってるけど、僕はそれも含めて作品内のほとんどのセリフを覚えてるw
それくらい好き。

だからこそ、小説を見ることに多少の抵抗があった。
映像から得られた苦しいほどの切なさを文章から感じ取れるのだろうか、ストーリーを大いに盛り上げる素晴らしいBGMがない本という媒体から何を感じ取れるのか、など、勝手に映画>本の構図を頭に作ってしまってた。
しかし、それが本当に勝手な想像だったことを読んで知らされた。

全体的に言えば新海さんがあらすじで言われてることがそのまま当てはまる内容だったと思う。映像で表現できないことを文章で、文章で表現できないことを映像で、と。
本を読み終わったら自然と映画を見たくなるし、映画を見た後にも自然と本を読み返したくなる両方を倍以上楽しめる素敵な作品だ。

ストーリーの順序は映画通り。

第一話「桜花抄」―東京の小学校に通う遠野貴樹(たかき)と篠原明里(あかり)。二人は常に一緒にいたが、先に明里が転校し、その後貴樹も転校することに。遠く離れ離れになってしまう前に再会を願うふたり。彼らのうえで永遠と瞬間が交錯し、ふりそそぐ。

第二話「コスモナウト」―種子島に暮らす高校三年生の澄田花苗(かなえ)の心を占めているのは、東京から転校して来た貴樹の存在。花苗にとって彼はいちばん身近で遠い憧れ。切なく揺れる思いを抱えながら、花苗にとっての夏が過ぎてゆく。

第三話「秒速5センチメートル」―貴樹は大学進学のため上京し、いくつかの恋をし、またそれらを失った。卒業後、ソフトウェア開発企業に就職した貴樹は、仕事で出会った水野理沙(りさ)に惹かれていくが……。

「桜花抄」が貴樹視点だったから三部すべて貴樹の視点で描かれるのかと思いきや、「コスモナウト」では花苗視点、「秒速5センチメートル」では大半が貴樹だが明里からの視点もあるというものだった。
このそれぞれの描き方が非常に良かった。一緒にいる時の感情も一人で誰かのことを想う時の感情もすごく伝わる描き方だった。
陰と陽で表すとすると貴樹の感情は主に陰で描かれているために読んでいると心に雲がかかったような錯覚を感じるが、花苗の感情はまさに陽で、何にも覆われてないただただ感じるままに行動している様がはっきり見える。
その花苗が「桜花抄」と「秒速5センチメートル」の間にいるからこそ、この2つがより深さを出している気がした。

映画では短かった「秒速5センチメートル」がかなり詳しく長い。
ものすごく短い登場だった「1000回もメールを―」の水野との出会いから別れまでも、その出会いが訪れる前の高校を卒業してからの生活もじっくりある。
映画で短くてそれほど伝わってこなかった「1000回もメールを―」というメールの内容が小説で出会いから見れるおかげでその重さが深く伝わった。

これらの流れがあって、終わり近くに中学生の時にお互いがお互いのために想い書いた手紙の内容が入ってくる。これが最高に切なくさせるんだよ。゜゜(ノД`;)°゚゚
映画を見終わるまでに大人になった明里が少し冷たいなんて感じることもあったけど、この手紙の内容を見てからは一切そうは思わなくなった。
貴樹も明里も本当に想いあってたんだね……。
この想いが一番感じられるのは大きな桜の下でのキスのシーンだろう。
ここは絶対読んでほしいシーン。他に表現のしようがない。

個人的に予告で流れる「どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるのか」という一文がどこかに欲しかったな〜。
映画でも小説でも入らない予告だけの一文にするのはもったいない。
作品を集束したようなものなのに…全体を表してるからこそなのかな?

そして、とても印象的な大空を鳥が舞うシーンに感動した。
ココはホントに小説を読まないとわからない素晴らしいシーン。
そういう意味が込められていたのか…。

本当に読んでよかった。作品と出会えてよかった。
そして、好きになってよかった。
作品と関係があるようでないかもしれないけれど、戸惑いや迷いもたくさんあるし生きることに苦痛を感じることがある中で、作中の「あなたは きっと大丈夫」という一言が絶大に心に響いた。それを感じた瞬間が最も貴樹と自分が重なったんじゃないと思えた。一瞬でも、心を共有できた気がした。

劇場アニメーション 「秒速5センチメートル」Blu-ray Disc

新海誠美術作品集 空の記憶~The sky of thet longing for memories~



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